高尿酸血症がなくても痛風を発症する可能性はありますか?(非常に稀ですが、臨床症状と合わせて判断する必要があります)

Ottfried Dörschner
Ottfried Dörschner
Clinical researcher with 7 years in metabolic diseases.

もちろんありえます!検査結果の「尿酸値正常」に騙されないでください。これは痛風患者さんによく見られることです。

このように考えてみてください。痛風の発作は、尿酸が関節内で「悪さ」をして、小さな針のような結晶をたくさん形成するため、関節が赤く腫れ上がり、激しい痛みを伴うのです。

急性発作の数日間は、血液中の大量の尿酸が関節に「移動」して結晶を形成します。これは、血液という「川」の中の尿酸が、一気に「貯水池」である関節に流れ込むようなものです。この時に採血検査をすると、「川」の水位を測ることになりますが、大量の尿酸が「貯水池」に移動してしまっているため、「川」の水位(つまり血中尿酸値)は正常に見えたり、あるいは低めに出たりすることがあります。

そのため、経験豊富な医師は痛風の診断において、血中尿酸値という一つの指標だけでなく、あなたの臨床症状をより重視します。

  1. 突然の激痛ですか? 刃物で刺されたような、あるいは噛みつかれたような痛みですか?
  2. 単一の関節が赤く腫れて熱を持ち、痛みますか? 最も多いのは足の親指ですが、足首や膝なども考えられます。
  3. 真夜中や早朝に発作が起きますか? 多くの人は寝ている間に痛みで目が覚めます。

もし症状が非常に典型的であれば、血中尿酸値が高くなくても、医師は痛風を強く疑います。最も正確な診断方法は、腫れて痛む関節から少量の関節液を採取し、顕微鏡で観察することです。尿酸塩結晶が見つかれば、直接的に確定診断ができます。

今回の痛風の急性期が過ぎて痛みがなくなったら、しばらく経ってから再度血中尿酸値を検査してください。その時の数値こそが、あなたの体の本当のレベルを示すものであり、ほとんどの場合、高めに出るでしょう。

ですから、痛風の診断においては、発作時の血中尿酸値よりも症状の方が重要であることを覚えておいてください。一度の検査結果が正常だったからといって、決して油断しないでください。