「影の銀行」システムの台頭は金融安定にとって吉か凶か?

Pamela Lopez
Pamela Lopez

ねえ、『シャドーバンキング』って話題、話してみると結構面白いんだよ。金融界の『アウトサイダー』とか『ゲリラ部隊』って考えると、すごく分かりやすいと思う。

普段、お金を預けたり借りたりするのは、正規軍である商業銀行、例えば工農中建(中国の主要銀行)なんかだよね。これらは中央銀行や銀行保険監督管理委員会から厳しく規制されていて、まるで信号や警察官、監視カメラがある大通りを運転するようなもの。規則は多いけど、安全性が高いんだ。

一方、『シャドーバンキング』っていうのは、銀行と似たような業務(例えば融資や投資)をやってるんだけど、銀行の免許を持ってなくて、そこまで厳しい規制を受けていないか、ほとんど受けていない金融機関や業務のこと。例えば、信託会社、小口融資会社、P2Pプラットフォーム(数年前流行ったやつ)、各種金融商品なんかがそうだね。これらは、街中に張り巡らされた細い道や近道を運転するようなもの。スピードは速いかもしれないし、制約も少ないけど、リスクもはるかに大きいんだ。

じゃあ、この『ゲリラ部隊』の台頭は、一体福なのか、それとも禍なのか?

これは両面から見る必要がある。まるで諸刃の剣のようなものだ。


福:積極的な側面

想像してみてほしい。将来性はあるけど、ちょっと『偏りがある』中小企業が、規模が小さいとか、伝統的な担保がないせいで、正規の銀行(大通り)から融資を受けるのが難しい場合があるよね。そんな時、『シャドーバンキング』(細い道や近道)が資金を提供して、その差し迫ったニーズを解決してくれるかもしれない。

  1. 資金効率の向上:伝統的な銀行を補完し、お金がより多くの『毛細血管』に流れ込むようにすることで、実体経済、特に伝統的な銀行に見過ごされがちな中小零細企業や個人を支援する。
  2. 金融イノベーション:顧客を引きつけるため、シャドーバンキングは様々な工夫を凝らし、複雑で収益性の高い金融商品を設計し、多様な投資家のニーズに応える。大金を稼ぎたい人は、常に何か違う方法を探しているものだ。
  3. リスクの分散(理論上):投資家にとって、卵を一つのカゴに入れるな、だ。シャドーバンキングはより多くの投資チャネルを提供し、一部のリスクを銀行システム外に移転させることを可能にする。

この観点から見ると、それは『経済を活性化させる』功労者のようで、金融システム全体をより多様で効率的なものにする。


禍:危険な側面

『ゲリラ部隊』の最大の問題は、規律がない、あるいは規律が緩いことだ。

  1. 規制の欠如、極めて高いリスク:これが最も核心的な問題だ。『影』の中で活動するため、準備金や自己資本比率といった厳格な規則の制約を受けない。高収益を追求するため、極めてリスクの高いプロジェクトに資金を投じることを厭わない。これは、保険に入らず、車検も受けずに、さらにスピード狂で運転するようなもの。事故が起こるのは時間の問題だ。
  2. システミックリスクの誘発(ドミノ効果):シャドーバンキングと正規の銀行の間には、複雑なつながりがある。多くの銀行の資産運用資金も、最終的にはシャドーバンキングのチャネルを通じて投資されている可能性がある。シャドーバンキングのどこかの部分で問題が発生すると(例えば、大規模なP2Pプラットフォームが破綻するなど)、損失は疫病のように正規の銀行システムに急速に伝播し、金融市場全体のパニックと崩壊を引き起こす可能性がある。2008年のアメリカのサブプライムローン危機は、シャドーバンキングシステムが制御不能になった典型的な悪例だ。
  3. セーフティネットの欠如:銀行に預けたお金は、預金保険で保護される(50万円まで)。しかし、シャドーバンキングに投資したお金は、一度損失が出ると、ほとんどの場合、元本が戻らず、誰も補償してくれない。

この観点から見ると、それはまるで『時限爆弾』のようで、いつでも金融ビル全体を爆破しかねない。


結論:福でもあり禍でもある、鍵は「透明化」

だから、単純にそれが福だとか禍だとか言うのは、あまりにも断定的すぎる。

その存在には合理性があり、確かに伝統的な金融の不足を補うことができる。しかし、その『影』の性質が、金融リスクの最大の潜在的脅威の一つとなっている。

近年、世界の金融規制当局(我が国を含む)は、あることを行っている。『シャドーバンキング』を日の当たる場所に引き出すことだ。

それは、一刀両断にするということではなく、規制の枠組みに組み込み、規則を設け、レッドラインを引くということだ。まるで、それらの『細い道や近道』にも信号や監視カメラを設置し、車がスムーズに、かつ安全に走れるようにするようなものだ。

要するに、全く影のない世界は退屈だが、影だらけの世界は危険だ。シャドーバンキングの台頭は、金融の安定にとって挑戦であると同時に機会でもある。重要なのは、いかにそれを乗りこなし、規則の枠内で積極的に機能させつつ、その破壊力を封じ込めるかだ。