週末だけでMVPを作成することは可能でしょうか?

洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.

皆さん、良い質問ですね。何か自分のものを作りたいと考えている多くの人が、この疑問を抱いたことがあるでしょう。

答えは:可能です。しかし、それは「MVP」をどう定義するか、そしてあなたのアイデアがどれほど複雑かによって決まります。

MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)を、機能が充実し、美しいUIを持つアプリだと思ってはいけません。それは製品のバージョン1.0ではなく、むしろ0.1のようなものです。

それは、あなたの核となるアイデアを検証できる最小限のツールだと考えてください。

例えば、「ペット版TikTok」のようなものを作りたいとしましょう。

  • 完全な製品であれば、ユーザー登録・ログイン、動画の閲覧、いいね、コメント、フォロー、DM、動画アップロード、美顔フィルターなどが必要になるかもしれません。
  • しかし、MVPであれば、ユーザーがログイン不要で15秒のペット動画を直接アップロードし、友人に共有できるリンクを生成するだけのシンプルなウェブページかもしれません。

この非常にシンプルなMVPの目的は、ユーザーを引き留めることではなく、「本当に自分のペットの動画を共有したいと思う人がいるのか?」という核となる問いに答えることです。もしそのリンクを100のペットコミュニティに送っても誰も使ってくれないなら、あなたの「核となるアイデア」に問題がある可能性があり、その後の数ヶ月をかけて完全なアプリを開発する必要はなくなります。

したがって、週末で作り上げられるかどうかは、いくつかの要素に依存します。

  1. あなたのアイデアがどれほど「小さい」か:もしあなたのアイデアが「今日のランチは何にする?」というランダム選択ツールのようなものであれば、週末で十分すぎるほどです。しかし、「美団(Meituan)」のようなものを作ろうとするなら、週末ではログインページすら完成しないかもしれません。重要なのは、機能をどこまで削ぎ落とし、最も核となる、これ以上減らせない機能だけを残す勇気があるかです。

  2. あなたの技術力:フロントエンド(ユーザーが見るインターフェース)とバックエンド(データ処理とロジック)を自分で全てこなせますか?ウェブサイトを公開して、他の人がアクセスできるようにする方法を知っていますか?もし全てできるなら、当然スピードは速いです。もし多くのことを一から学ぶ必要があるなら、週末はほとんどチュートリアルを見たり、問題解決に費やしたりすることになるでしょう。

  3. 「完成」の基準:あなたが言う「作り上げる」とは、自分のPCで動く状態を指すのか、それともデプロイして世界中のインターネットユーザーが使える状態を指すのか?後者の場合、サーバーやドメインなどの設定にかなりの時間を費やす必要があります。

週末で比較的現実的に作れるもの:

  • あなたの製品アイデアを紹介するランディングページ。メールアドレス入力欄を設置し、どれくらいの人があなたのアイデアに興味を持ち、連絡先を残してくれるかを確認します。
  • 非常にシンプルなミニツール。例えば、画像圧縮ツール、特定の用途の計算機、テキスト形式変換ツールなど。
  • ノーコード/ローコードツール(例えば海外のBubble、Glide、または国内の軽流、簡道雲など)を使って、インタラクティブなプロトタイプを構築する。これは技術的な背景があまりない方には非常に適しており、アイデアを素早くクリック可能な形にできます。

あなたへのアドバイス:

  1. 容赦なく機能を削る:あなたのアイデアを書き出し、市場を検証するための核となる機能が一つだけ残るまで削り続けてください。
  2. 車輪の再発明をしない:可能な限り既存のフレームワーク、テンプレート、サードパーティサービスを利用してください(例えば、ログインサービスを自分で一から書くのではなく、既存のものを使うなど)。
  3. 完璧を求めない:使えるならそれで十分です。UIが少し醜かったり、小さなバグがあっても構いません。あなたの目的はアイデアを検証することであり、美しさを競うことではありません。

だから、思い切って試してみてください!たとえ失敗したとしても、あなたはたった一つの週末を「無駄にした」だけです。しかし、そこで得られる経験や、あなたのアイデアが本当に有効かどうかという認識は、数ヶ月かけて「完璧な計画」を立てるよりもはるかに価値があります。これこそが起業の一部なのです。