Paulina Guidotti
Paulina Guidotti
Vineyard owner in Tuscany, specializing in organic wines.
ボルドーの格付け制度は本当に貧富の差を拡大させたのか?
やあ、こんにちは!僕は赤ワインが結構好きで、ボルドーの事情を少し調べたことがあるんだ。この話題について話してみよう。簡単に言うと、この「格付け」とは1855年のボルドーワインの等級制度のことで、当時はパリ万博に向けてメドック地区のシャトーを1級から5級に分類したもの(主に左岸のトップシャトーが対象)。後にソーテルヌの甘口白ワインの格付けも追加されたんだ。元々はワインの品質と価格に基づくランク付けだったけど、長い年月を経て、確かに産地内の貧富の差に少なからぬ影響を与えている。僕の考えを順を追って、できるだけ分かりやすく説明するね。
まず格付け制度の仕組み
- 起源と目的:1855年当時、フランス皇帝が万博でボルドーワインをアピールしようと、ブローカーにシャトーの歴史的な評価・価格・品質でランク付けさせた。トップの1級シャトー(ラフィットやマルゴーなど)はスター的存在となり、他は順次ランクダウン。
- 不変のルール:このランキングはほとんど変更されていない(1973年のムートン昇格など少数の例外を除く)。つまり一度ランクイン、特に上位に入れば「終身会員権」を手にしたようなもの——高価格・高知名度で爆発的に売れる。
公平に聞こえるが、実態は古風なクラブみたいなもので、敷居が高く新規参入が難しいんだ。
貧富の差を拡大させたか?
僕はそう思う、とはいえ全ての原因じゃない。ボルドーには数千のシャトーがあるが、格付け対象は60軒強(主にメドック)だけ。特に上位5級に入ったシャトーは文字通り「金のなる木」だ:
- 富める者はより富む:1級シャトーのワインは1本数千~数万ユーロで売れる。ブランド効果で需要が爆発し、より良いぶどう畑・技術・マーケティングに投資できるから差は広がる一方。例えばラフィット1本の利益が小さなシャトーの年間売上を上回ることも。
- 貧しい者はより貧しく:無名のシャトー(右岸のものや小規模農家など)は厳しい。品質が良くても高値がつかず、資金不足で設備更新や拡大が困難。結果、トップシャトーは土地買収やM&Aでさらに富み、小規模シャトーは買収されるか辛うじて存続するだけ。
- データが物語る:調査によると、ボルドーの上位10%のシャトーが産地の富の80%を占める。格付け制度がこの不均衡を固定化——買い手(特に海外の富裕層)は「格付けシャトー」しか認めず、他は良いワインでも評価されにくい。
まるで学校の「特進クラス」みたいなもの。中に入れば資源も機会も豊富で、外の者は入ることすら難しく、時間と共に差が開くんだ。
「エリートクラブ」を形成したか?
間違いなく!この格付けは閉ざされた貴族サロンのようだ:
- 会員特権:ランクインしたシャトーは姻戚関係を結び、協力し合い名声を共有する。専用オークションや試飲会は世界中の富豪や収集家を惹きつける。普通のシャトーが割り込む?ほぼ不可能だ。M&Aや特殊事情での昇格は極めて稀。
- 新規参入者の苦境:右岸(ポムロールやサンテミリオン)には独自の頻繁に更新される格付けがある。だが左岸の1855年格付けは硬直的で、多くの新興優良シャトー(有機栽培やビンテージワインの小規模生産者など)が排除され「締め出された」感がある。
- プラス面もある:とはいえ、産地全体の品質向上には貢献した。誰もがトップシャトーの基準を目指し、ボルドー全体の名声が上がった。ただし最大の恩恵を受けるのは「クラブメンバー」だ。
総じて、この制度は確かに貧富の差を拡大しエリートクラブを形成、ボルドー内部をピラミッド化した——頂点は輝き、基盤は必死に支える構造だ。ただし唯一の原因ではなく、市場のグローバル化・気候変動・消費者の嗜好も複雑に絡んでいる。普通のワインファンなら、格付けシャトーだけに固執せず「非格付け」の良酒を試すことをお勧めする。コスパが高く、味も負けてないことが多いよ!
何か具体的に聞きたいシャトーはある?あるいは別の意見?引き続き話そう。