Y コンビネーターの標準的な投資条件(Standard Deal)とは何ですか?
はい、承知いたしました。
ご心配なく、これは私がよく知っていることです。YCの契約条件に初めて触れる多くの人が戸惑いますが、分解して見てみると、実はとてもシンプルです。
簡単に言うと、YCの標準投資(Standard Deal)は現在「パッケージプラン」となっており、合計で50万ドルが提供されます。しかし、この50万ドルは性質が全く異なる2つの部分に分かれています。
パート1:125,000ドルと引き換えに7%の株式
この部分は最も直接的で、理解しやすいでしょう。
- あなたが受け取るもの:12.5万ドルの現金。
- YCが受け取るもの:あなたの会社の7%の株式。
これを大きなピザ(あなたの会社)に例えると、YCがお金を提供し、そのピザの7%を受け取る、と考えることができます。このお金は確実なもので、直接あなたに渡され、その代わりにあなたの会社の7%の株式がYCに渡されます。この部分は非常に直接的で、複雑な点はありません。
この取引は、あなたの会社に非常に初期の評価額を間接的に設定することにもなり、およそ178万ドル(125,000ドル / 7% ≈ 1,785,714ドル)となります。
パート2:375,000ドルの「最恵国待遇」投資意向
この部分は少し複雑で、多くの人が理解に苦しむところです。
- あなたが受け取るもの:37.5万ドルの現金。
- YCが受け取るもの:MFN SAFEと呼ばれるもの。
これが何を意味するのか、分解して見ていきましょう。
-
SAFEとは? SAFEの正式名称は「将来株式に関する簡易合意書」(Simple Agreement for Future Equity)です。名前で怖がらないでください。これを分かりやすく言うと、**「将来の株式引換券」**のようなものです。YCはまずこの37.5万ドルをあなたに提供しますが、すぐに株式に転換するのではなく、あなたが将来、次の正式な資金調達ラウンドを行う際に、この「引換券」を使って株式に転換します。
-
MFNとは? MFNは「最恵国待遇」(Most-Favored-Nation)の略です。ここでの意味は、YCのこの「引換券」には特権があるということです。次の資金調達ラウンドで、例えば新しい投資家Aを見つけ、彼と投資条件(例えば、どのような評価額で投資するかなど)を合意した場合、YCは自動的に新しい投資家Aと「同等」、あるいは「それ以上」に有利な条件で、この37.5万ドルを株式に「転換」する権利を得ます。
例えるなら、買い物に行くようなものです。
あなたが店主(YC)に「まず37.5万ドルを払うので、まだ商品(株式)は渡さないでください。次に誰か(あなたの次の投資家)が買いに来たとき、彼にどんな割引をするかによって、私にも同じか、それ以上の割引をしてください。そして、その37.5万ドルで商品を受け取ります」と言うようなものです。
重要な点は、YCのこのSAFEには**「評価額の上限がない」**(Uncapped)ということです。これは、次の資金調達ラウンドで会社の評価額がどれほど高くなっても、YCは彼らにとって最も有利な条件で転換を行うことを意味します。これは創業者にとっては比較的友好的であり、将来の評価額に上限を設けることがありません。
まとめ
したがって、YCに採用された場合、標準投資条件全体は次のようになります。
- あなたはすぐに50万ドルの現金を受け取ります。
- その代わりに、YCは以下を受け取ります。
- あなたの会社の確定した7%の株式。
- 37.5万ドル相当の「引換券」(MFN SAFE)。これは、次の資金調達ラウンドで最も有利な条件で株式に転換できるものです。
この仕組みは非常に賢明です。起業家にとっては、一度に多額の初期資金(初期のチームにとって50万ドルはかなりの額)が提供され、差し迫った問題を解決できます。YCにとっては、すべての会社から7%の基本的な株式を標準的な方法で取得できるだけでなく、MFN SAFEを通じてその後の資金調達に「便乗」し、最高の投資価格を享受することで、彼らの利益が過度に希薄化されないように保証されます。
この説明があなたのお役に立てれば幸いです!初期の起業家にとって、これらの基本的な条件を理解することは非常に重要です。