響17年の風味の特徴とレシピにはどのような独自性がありますか?
ああ、響17年、これは素晴らしい質問ですね。多くのウイスキー愛好家にとっての「憧れの存在」でもあります。このウイスキーがなぜこれほど素晴らしいのか、分かりやすい言葉でご説明しましょう。
まず、その風味、つまり飲んだり香りをかいだりしたときにどう感じるかについてです。
荒々しい猛者というよりは、非常に優雅で奥ゆかしい東洋の紳士のような存在だと想像してみてください。
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香り(聞く): グラスを鼻に近づけると、ツンとくるアルコール臭ではなく、心地よい複雑な香りが漂ってきます。はっきりとしたフローラルな香り、完熟したフルーツ(アプリコットやメロンなど)の香り、そして少しのハチミツやクリームのような甘さ。全体的に非常に上品で調和の取れた香りで、思わず一口飲みたくなります。
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味わい(口に含む): これが最も熟練の技が光る部分です。口に含むと、その滑らかさに驚かされます。アルコールの刺激はほとんど感じられず、まるで絹が舌の上を滑るようです。そして、様々な味わいが絵巻物のようにゆっくりと広がっていきます。まず、香りで感じたようなフルーティーな甘さが広がり、その後に、トフィー、少しのシナモンやクローブのようなスパイス、そして最も特徴的なのは、ほのかな白檀や伽羅のようなお香の香り。この香りは非常に東洋的で、「禅」を感じさせる、響の象徴的な味わいの一つです。
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余韻: 飲み込んだ後も、口の中に残る香りはすぐに消えず、長く、温かく続きます。主にオークとスパイスの香りが心地よく残ります。
総じて、響17年の風味の特徴は、まさに**「究極のバランスと調和」**です。スコットランドのウイスキーのようにスモーキーさが際立つわけでもなく、アメリカンバーボンのように直接的な甘さがあるわけでもありません。フローラル、フルーティー、ウッディ、スパイシーな香りが完璧に融合しており、少しでも多ければしつこく、少なければ物足りない、すべてが「ちょうど良い」のです。
では、この独特の風味はどのようにして生まれるのでしょうか?それは、その独特の製法に秘密があります。
「響」というブランドを最高のオーケストラ、響17年を彼らが奏でる名曲だと想像してみてください。この曲が素晴らしいのは、様々な一流の演奏家と楽器があり、それを偉大な指揮者が完璧にまとめ上げているからです。
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「オーケストラ」の構成(調和の基礎):
- 山崎(Yamazaki)モルトウイスキー: オーケストラの主旋律であり、豊かなフルーツの風味と重厚な基盤を提供します。まるでヴァイオリンの首席奏者のようです。
- 白州(Hakushu)モルトウイスキー: オーケストラのフルートのように、爽やかなハーブの香りと、かすかなスモーキーさをもたらし、全体の「楽曲」に高音と清涼な層を加えます。
- 知多(Chita)グレーンウイスキー: これは「ハーモニー」または「キャンバス」の役割を担います。山崎と白州という個性豊かな2つのモルトウイスキーを完璧に「つなぎ合わせ」、全体の口当たりを限りなく滑らかで調和の取れたものにします。
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「楽器」の特色(オーク樽): 良い演奏家がいるだけでは不十分で、楽器も非常に重要です。ウイスキーの風味は、熟成に使われるオーク樽に大きく左右されます。響17年にはいくつかの種類の樽が使われていますが、最も特徴的なのは非常に特別な樽です。
- 水楢(ミズナラ)樽: これこそが響17年の「東洋の禅」を感じさせる秘密兵器です。日本固有のオーク材で、非常に希少で扱いが難しいのですが、ウイスキーに非常に独特な東洋のニュアンス、つまり先ほど述べた白檀や伽羅のような香りを与えます。これは欧米のウイスキーではほとんど見られない味わいです。水楢樽の他にも、甘いドライフルーツの風味をもたらすシェリー樽や、バニラやクリームの風味を与えるアメリカンホワイトオーク樽も使用されています。
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「指揮者」の芸術(ブレンダー): サントリーのブレンダーチームこそが、その偉大な指揮者です。彼らは膨大な量の原酒の中から、少なくとも17年以上熟成された、異なる蒸溜所、異なるオーク樽の原酒を厳選し、絶妙な比率でブレンドします。このブレンドは単なる混合ではなく、まさに芸術です。この芸術性こそが、響17年の比類なきバランス感を生み出しているのです。
つまり、響17年のユニークさは、山崎、白州、知多の3つの蒸溜所の高品質な原酒をベースに、水楢樽を含む多様なオーク樽の巧みな使用、そしてブレンダーの匠の技によって、東洋的な趣と究極のバランスを持つ味覚体験が創造されている点にあります。
残念ながら、高年数原酒の深刻な不足により、響17年は2018年に終売が発表されました。現在市場に出回っているのは在庫のみで、価格も高騰しており、それがこのウイスキーにさらなる伝説的な色彩を加えています。