軽井沢で使用される主要な大麦原料はどこから来ていますか?
Raghav Sharaf
Raghav Sharaf
Global whisky writer and tasting competition judge.
軽井沢ウイスキーが伝説的である理由として、その原料が重要な鍵を握っています。
実は、軽井沢が使用していた主要な大麦は日本産ではなく、コストを惜しまずスコットランドから特別に輸入された「ゴールデンプロミス」という品種でした。
「ゴールデンプロミス」は、大麦の中の「古き良き貴族」とでも言うべき存在です。1960年代から80年代にかけて、スコッチウイスキー業界で非常に人気があり、高級な品種として、多くのトップ蒸留所(当時のマッカランなど)が好んで使用していました。この大麦から造られたウイスキーは、通常、非常に豊かでオイリーなボディを持ち、モルトの風味が濃厚で甘く香ります。
しかし、この品種は生産量が少なく、栽培コストも高かったため、次第に他の生産性の高い新品種に取って代わられるようになりました。現在、「ゴールデンプロミス」を使い続けている蒸留所はごくわずかです。
ですから、軽井沢が持つあの芳醇で複雑、そして魅力的なオールドスタイルは、このクラシックなスコットランド産大麦を使い続けたことに大きく起因しています。当時、日本の蒸留所がこれを実現したことは、まさに並々ならぬ探求心と気概があったと言えるでしょう。