Anthony Smith
Anthony Smith
厳しいでしょうね。
はっきり言って、ほとんどの投資家は、純粋な技術アーキテクチャ図を理解できませんし、理解しようとも思いません。AWSのアイコン、Nginx、Redis、Kafkaなどの図を並べても、彼らにとっては、意味のない四角と矢印の羅列にしか見えません。彼らの頭の中では、「この人は技術的な複雑さで私を煙に巻こうとしているのか?」と考えているでしょう。
別の視点から考えてみましょう。投資家が関心を持っているのは何でしょうか?それはあなたの「ビジネス」であり、「技術的な実装」ではありません。彼らが気にするのは、以下の点です。
- あなたのビジネスはどのように動いているのか? ユーザーのお金はどのようにしてあなたの懐に入るのか?あなたのコアビジネスプロセスは何ですか?
- あなたのシステムは持ちこたえられるのか? ユーザー数が10倍、100倍に増えた場合、このシステムは破綻しないか?拡張コストは高くないか?
- あなたの堀(競争優位性)はどこにあるのか? 何か特別な技術的優位性があるのか?独自のアルゴリズムか、それとも膨大なデータを処理する能力か?
- あなたのコスト構造はどうなっているのか? このアーキテクチャは非常にコストがかかるように見えないか?
ですから、エンジニア向けに作ったアーキテクチャ図はしまっておき、投資家のために「翻訳された」図を特別に作成すべきです。私は次のようにすることをお勧めします。
- 専門用語ではなく、平易な言葉で説明する。 「MySQLマスター・スレーブ同期」を「コアデータベース(データセキュリティを保証)」に、「Redisキャッシュクラスター」を「高速キャッシュ(数百万ユーザーの同時接続をサポート)」に、「マイクロサービスA、B、C」を「ユーザーモジュール」「注文モジュール」「決済モジュール」に置き換える。
- 技術ではなく、ビジネスから出発する。 図の重点はビジネスプロセスを示すべきです。例えば、ECプラットフォームの場合、あなたの図は、【ユーザー】が【アプリ】を通じて【商品】を閲覧し、【注文】し、システムが【注文処理センター】を経て【決済プロセス】をトリガーし、成功後に【倉庫センター】に発送を通知する、という流れを明確に示すべきです。この価値の流れを図で表現してください。
- ハイライトを強調し、詳細を隠す。 もしあなたが非常に優れた「スマートレコメンデーションアルゴリズム」を持っているなら、それを図の中で枠で囲み、拡大し、横に「コアな強み:コンバージョン率を30%向上させる独自のアルゴリズム」と注釈を付けましょう。このアルゴリズムがPythonで書かれているのかGoで書かれているのか、何台のサーバーにデプロイされているのかといった詳細は、誰も気にしません。
- 視覚的にシンプルで明確に。 最小限の四角と線で物事を明確に説明しましょう。もし一枚の図で説明しきれない場合は、二枚に分けましょう。一枚は「ビジネスロジック図」、もう一枚は「システム能力図」(高並行性、高可用性などを示すもの)です。
経験談: あなたは2つのバージョンのアーキテクチャ図を用意することができます。
- PPT版: 上記で述べたような「翻訳版」で、投資家に見せるためのものです。ストーリーを語り、信頼を築くために使います。
- 技術版: あなたが今持っている図は、取っておきましょう。話がうまく進み、相手の技術顧問やデューデリジェンスチームが入ってきたときに、彼らに見せればよいのです。
覚えておいてください。PPT上のアーキテクチャ図は、あなたの技術がいかに優れているかを示すためではなく、あなたのビジネスがいかに信頼できるかを証明するためのものです。もしあなたの図が、おばあちゃんでも大体何をしているビジネスなのか理解できるようなものであれば、それが正解です。