彼は「価値(バリュー)」と「成長(グロース)」の区別についてどのような見解を持っていますか?なぜ彼は両者が「密接に結びついている」と述べているのでしょうか?

作成日時: 7/30/2025更新日時: 8/17/2025
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バフェットが語る「バリュー」と「グロース」の区分に関する見解

ウォーレン・バフェットは、株式投資を「バリュー投資」と「グロース投資」に分類する行為は人為的で誤った区分であると考えている。彼は株主への手紙で繰り返し、この区分は「ばかげている」あるいは「無意味」だと強調する。なぜなら、あらゆる賢明な投資は本質的に価値投資であるからだ。価値投資の中核は、本質的価値よりも低い価格で資産を購入することにあり、成長は単に本質的価値を算定する際の重要な要素であって、独立したカテゴリーではない。バフェットは、市場が低PERや低PBRの株式を「バリュー株」、高い成長潜在力を持つ株式を「グロース株」と分類する傾向があるが、この区分は成長が価値に与える影響を無視しており、投資家が真に優れた機会を逃す可能性があると指摘する。例えば、彼が投資したコカ・コーラやAppleは、強力な成長性を持ちながらも価値の原則に合致している。

「密接に結びついている」と言われる理由

バフェットは「バリュー」と「グロース」が「腰(hip)で繋がっている(密接に結びついている)」と表現する。成長が価値計算の核心的要素だからだ。具体的には:

  • 価値は将来のキャッシュフローに由来する:資産の価値は、将来生み出すキャッシュフローを現在価値に割り引いた総和で決まる。成長がなければ(キャッシュフローが横ばいまたは減少)、価値は限定的となる。逆に、強い成長は将来のキャッシュフローを大幅に増加させ、本質的価値を高める。
  • 成長は価値から独立していない:バフェットは師ベンジャミン・グレアムの見解を引用し、過大評価された「グロース株」は優れた価値投資とは言えず、逆に「バリュー株」にも隠れた成長潜在力があれば超過リターンを生みうると強調する。成長を無視した価値投資は「不完全」であり、価値から乖離した成長投資は投機だと彼は考える。
  • 実際の事例:バークシャー・ハサウェイによるGEICO保険の買収やAmazonへの投資は、まさに成長と価値の結合を見出したからこそ行われた決断である。これは両者が対立するものではなく、一体不可分で密接に結びついていることを証明している。

結論として、バフェットの見解は投資家に対し、ラベルに惑わされず資産の本質的価値に集中するよう促すものであり、成長はその中で不可欠な原動力なのである。

作成日時: 08-05 08:05:37更新日時: 08-09 02:08:06