起業することは、コードレビューを避けるための言い訳にすぎないでしょうか?

Christa B.Eng.
Christa B.Eng.
Young tech entrepreneur, recently launched an AI-powered SaaS.

なるほど、あなたの質問は核心を突いていますね。多くの方が同じような考えを持っていますが、ここまで率直に口にする人は少ないでしょう。

まず最初に言っておきたいのは、コードレビュー(CRと略します)が面倒だと感じるのは、ごく自然なことです。時には、自分が完璧だと思って書いたコードが、同僚から大量の指摘を受けると、フォーマット、ロジック、さらには命名規則に至るまで、まるで作文が先生の赤ペンで真っ赤に修正されたかのように感じられ、気分が良くないのは当然です。特に、やたらと細かく、時には「揚げ足取り」のような同僚に当たると、CRのプロセスはまさに苦痛でしかありません。

だから、この不快な気持ちから「逃れたい」と思うのは、十分に理解できます。

しかし、起業というのは、単なる言い訳に過ぎないのではないでしょうか?この件については、深く掘り下げて考える必要があります。

考えてみてください。起業して、社長になったら、もう誰もあなたのコードに口出しできなくなるのでしょうか?表面的にはそう見えるかもしれません。好きなように、好きなスタイルでコードを書くことができ、「ここではAの書き方ではなくBの書き方を使うべきだ」と誰も言わなくなる。聞くだけで気持ちいいですよね?

しかし実際には、あなたは「コードレビュー担当者」を別の人々に変えただけに過ぎません。しかも、その人々はもっと厳しく、容赦がありません。

その人々とは誰でしょうか?

  1. あなたの顧客/ユーザー:彼らはあなたのコードの下にコメントを残して、「この変数名は良くない」などとは言いません。彼らはあなたのアプリがクラッシュしたり、フリーズしたり、機能が使いにくかったりすると、黙ってアプリをアンインストールし、アプリストアで星1つの低評価を付け、ついでに「クソアプリ」と罵るでしょう。この「レビュー」は、あなたの収入と会社の存続に直結します。

  2. 市場そのもの:市場は、最終的で最も残酷な審査員です。あなたの製品、そしてビジネスモデル全体が、容赦なく「レビュー」されます。あなたのコードが詩のように美しく書かれていたとしても、製品の方向性が間違っていて、ユーザーに受け入れられなければ、市場はあなたを直接廃業に追い込むでしょう。市場はあなたに「修正して再提出」の機会を与えてはくれません。

  3. あなたの共同経営者と投資家:もし共同経営者がいれば、彼らはあなたの開発進捗と製品の品質に関心を持ちます。これも本質的にはレビューの一種です。もし投資を受けているなら、投資家はあなたのユーザー増加数や収益データを注視します。これらのデータこそが、あなたの「コード」の最終的な成績表なのです。データが見栄えが悪ければ、どんなコードレビューの指摘よりもあなたを苦しめるでしょう。

ほら、見てください。起業は「審査される」という運命からあなたを解放するものではなく、むしろ、あなたを審査する基準を「コードの出来栄え」から「会社が存続できるか否か」へと引き上げただけなのです。このプレッシャーは、同僚からの数件のコメントに対応するよりも、何千倍も大きいものです。

ですから、問題の根源に戻りましょう。なぜあなたはコードレビューが面倒だと感じるのでしょうか?

  • 同僚があら探しをして、あなたを否定していると感じるからでしょうか?
  • それとも、このプロセスが煩雑で時間の無駄だと感じるからでしょうか?
  • あるいは、自分のコードに自信がなく、問題点を指摘されるのが怖いからでしょうか?

コードレビューの本質は、実は品質保証と知識伝達のメカニズムなのです。それは、あなたが気づかなかったバグを発見するのに役立ち、他者の優れたアイデアを学ぶ機会を与え、チーム全体の技術レベルを一定に保つことにも繋がります。良いCR文化は、個人の成長にとって非常に有益です。

結論です:

もし起業が、何かを創造し、社会問題を解決し、素晴らしい製品を実現したいというあなたの内なる真の情熱であるならば、コードレビューのような些細なことは、あなたの考慮すべき障害にはなりません。あなたはむしろ、より高レベルの「レビュー」を積極的に求めるでしょう。

しかし、もしあなたの起業の主な動機が、CRされたくない、プロダクトマネージャーと口論したくない、ドキュメントを書きたくないなど、仕事上の不快なことから逃れるためだけであるならば、あなたは、一つの穴から、より大きく、より深く、そしてより残酷な穴へと飛び込んだだけだと気づく可能性が高いでしょう。

まずは落ち着いて、現在直面しているCRの問題を改善しようと試みることをお勧めします。それはコミュニケーションの取り方の問題なのか、それともチーム文化の問題なのか?この心のしこりを解決してから、改めて起業というものを見つめ直せば、より明確な答えが見えてくるかもしれません。雨宿りのために、海に飛び込むような真似はしないでください。