私の競合相手は誰ですか?

洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.

やあ、皆さん。これは良い質問ですね。多くの技術畑出身の人が起業する際、この点で考え違いをしやすいものです。

「競合」を複雑に考えすぎないでください。また、あなたと全く同じ製品を作っている大企業ばかりに目を向けないでください。実はとてもシンプルで、自分に一つの質問を投げかけてみてください。

「もし私が存在しなかったら、私のユーザーは、今私が解決している問題を、どのような方法で解決するだろうか?」

この質問の答えこそが、あなたの競合相手です。

そう考えると、競合には実はいくつかの種類があることにあなたは気づくでしょう。

一つ目:直接「パイを奪い合う」競合

これは最も想像しやすいタイプです。あなたがAを作れば、彼もAを作る。例えば、あなたがオンライン画像編集ツールを作ったとすれば、美図秀秀やPhotoshopウェブ版があなたの直接の競合です。機能は似ており、ターゲットユーザーもほぼ同じで、まさに正面からぶつかり合う関係です。彼らを見つけるのは簡単です。百度、Google、App Storeで、あなたの製品が解決しようとしている核心的な問題を直接検索すれば、上位に表示されるものがほとんどです。

二つ目:アプローチは異なるが「目的は同じ」競合

このタイプの競合は最も見過ごされがちですが、最も致命的でもあります。彼らは同じニーズを解決していますが、使用する方法や製品の形態は全く異なります。

例を挙げましょう:

  • あなたが「週末の地域イベントアプリ」を作り、皆の「週末どこへ遊びに行くか」という問題を解決しようとしているとします。あなたの直接の競合は他のイベントアプリです。しかし、あなたの間接的な競合は?それはTikTok(ショート動画を見ているうちに午後が終わってしまう)、『王者栄耀』(友達とゲームをする)、映画館、あるいは近所の雀荘さえもです。なぜなら、彼らは皆、ユーザーの「週末の時間」というリソースをあなたと奪い合っているからです。
  • もう一つの例として、あなたが複雑なプロジェクト管理ソフトウェアを開発したとします。あなたの競合は必ずしもJiraやTrelloではありません。Excelシート一枚、あるいはWeChatグループである可能性が非常に高いです。多くの小規模チームは、Excelで進捗を管理し、WeChatグループでコミュニケーションを取っています。非効率ではありますが、無料であり、学習コストもかかりません。

三つ目:最も強力な競合——「何もしない」こと

そうです、間違いではありません。ユーザーが「何もしない」、現状を維持し、古い方法で乗り切ろうとすること。これこそがあなたの最も恐ろしい競合です。

例えば、あなたが家計簿アプリを作り、皆の資産管理を助けようとしているとします。多くの人にとって最大の「競合」は、別の家計簿アプリではなく、「家計簿をつけるのが面倒」という習慣です。彼らは毎月どんぶり勘定で過ごすことを選び、毎日支出を記録する労力をかけたくないのです。あなたの製品がどんなに優れていても、彼らの「怠惰」には勝てません。

では、技術者として、どうやって彼らを見つけるのか?

  1. 技術用語ではなく、「普通の言葉」で検索する:例えば、「高並行IMソリューション」と検索するのではなく、「チームコミュニケーションに使うソフトは?」「使いやすいチャットアプリは?」と検索するのです。何も知らないユーザーになったつもりで、どのように検索するかを想像してみてください。
  2. ユーザーがいる場所で「耳を傾ける」:知乎、小紅書、関連する専門フォーラム、掲示板、豆瓣グループなどを見てみましょう。皆がどんな問題に不満を抱き、どんなツールを推奨しているかを確認するのです。例えば、あなたがレシピアプリを作りたいなら、料理グループに行って皆が何を使っているか、何を話しているかを見てみましょう。
  3. 直接尋ねる:あなたのターゲットユーザーを数人見つけ、コーヒーでも飲みながら話してみましょう。あなたのアイデアを急いで売り込むのではなく、「普段、XX問題に遭遇した時、どうやって解決していますか?」と尋ねるのです。彼らの答えはあなたを驚かせるでしょう。あなたは全く思いつかなかったような「素朴な方法」をたくさん発見するでしょう。そして、これらの素朴な方法こそが、あなたが最も研究すべき競合なのです。

要するに一言で言えば、あなたの競合は、あなたが思っている競合ではなく、ユーザーがあなたの代替品だと考えているものです。 まず、ユーザーが今どのように「間に合わせている」のかを理解することです。そうすれば、あなたの製品が誰からユーザーを奪うべきなのかがわかるでしょう。