なぜウォーレン・バフェットはほとんどIPO(新規株式公開)に参加しないのでしょうか?
作成日時: 7/30/2025更新日時: 8/17/2025
回答 (1)
ウォーレン・バフェットがIPO(新規株式公開)にほとんど投資しない理由とは?
バリュー投資の代表的存在であるウォーレン・バフェットがIPOへの投資にほとんど参加しないのは、彼の投資哲学と戦略に起因しています。主な理由は以下の通りです:
1. 歴史的データと予測可能性の欠如
- バフェットは理解できる企業への投資を重視します。企業の長年の財務諸表、利益の推移、経営陣の実績を分析することを好みます。
- IPO企業は新興企業が多く、長期の価値やリスクを正確に評価するのに十分な歴史的データが不足しています。これはバフェットの「安全域(マージン・オブ・セーフティ)」の原則に合わず、安定した実績を持つ成熟企業への投資を好みます。
2. 過大評価されがちな価格
- IPOは市場の過熱や投機的な熱狂を伴いがちで、発行価格が本質的価値を大幅に上回る水準まで押し上げられます。
- バフェットは株主への手紙で繰り返し、「流行株」や「ストーリー株」を避けると述べており、これらは短期的な投機であって長期的なバリュー投資ではないと指摘しています。IPOの価格決定メカニズム(引受業者の推進など)はバブルを生みやすく、彼は市場が落ち着いてからより安い価格で購入することを選びます。
3. バリュー投資原則との不一致
- バフェットの戦略は「優良企業を適正価格で買う」ことであり、成長の可能性が不透明な新株を追いかけることではありません。
- IPO投資は企業の本質的価値ではなく市場心理に依存する「賭け」に近いと考えています。これは師であるベンジャミン・グレアムの「過小評価された資産と本質的価値」を重視するバリュー投資理念に反します。
4. 機会費用と忍耐強い待機
- バフェットは良い機会は必ず訪れると信じています。IPOの「争奪戦」に参加するよりも、流通市場で過小評価された銘柄を探すことを選びます。
- バークシャー・ハサウェイの株主への手紙で彼は、IPO投資は迅速な意思決定を迫られることが多いが、自身のスタイルは熟考を重ねた上での長期保有だと述べています。
要約すると、バフェットのIPO不投資戦略は彼の規律正しさとリスク回避姿勢を体現しています。こうした「流行の罠」を避けることで、長期にわたる複利の成長を実現してきました。1965年から2023年までの彼の株主への手紙を読むと、これらがバリュー投資の中核的指針として繰り返し述べられていることがわかります。
作成日時: 08-05 08:06:19更新日時: 08-09 02:08:42