Cheryl Jones
Cheryl Jones
Philosophy student, exploring first principles in ethics.
この件は、はっきり言ってビジネスの最も根本的な論理に立ち返ります。それは「収入 > コスト」です。
どんなに「合理的」に見え、どんなに「斬新な」ビジネスモデルを持ち、どんなに「多くの」ユーザーを抱えていても、長期的にこの点を達成できなければ、それは本質的に自力で収益を生み出せるビジネスではなく、金を食い潰す穴に過ぎません。
このことをラーメン店を経営する例で考えてみましょう。
1. あなたの作るラーメンはとても美味しいが、お金を徴収できない。
- 価値は価格に等しくない:あなたの作るラーメン(製品/サービス)は確かに「お腹が空いた」という大きな問題を解決し、近所の人々からも評判が良い(ユーザーからの評価が高い)かもしれません。しかし問題は、人々があなたのラーメンに10元しか払いたがらないのに、家賃、光熱費、人件費を含めると一杯のコストが12元かかることです。一杯売るごとに2元の赤字が出ます。あなたは価値を創造した(人々を満腹にさせた)が、十分な価値を利益に転換できなかったのです。
- 無料の誘惑:さらに極端な例として、顧客を引きつけるために「私のラーメン作りを見に来てくれれば、ラーメンは永久無料」というキャンペーンを行ったとします。店内は人でごった返し(ユーザー数は膨大)、非常に繁栄しているように見えます。しかし問題は、あなたの「合理的」に見える論理が「有名になったら、広告やグッズ販売で稼ぐ」というものだったとしても、もし広告収入が毎日提供する数百杯のラーメンのコストを賄いきれなかったらどうなるでしょうか?この「合理的」に見える収益予測は、永遠に実現しないかもしれません。多くのインターネット企業がこの点で失敗し、無料サービスで大量のユーザーを獲得したものの、その莫大な運営コストをカバーできる課金ポイントを結局見つけられませんでした。
2. 一杯のラーメンを作る本当のコストを正確に計算していなかった。
- 目に見えるコストと目に見えないコスト:ラーメン店を経営する上で、小麦粉、肉、野菜は目に見えるコストです。しかし、家賃、従業員の給与、社会保険、内装の減価償却費、光熱費、税金、マーケティング宣伝費、さらには客に割られたお椀一つに至るまで…これらすべてがコストです。多くの企業は初期段階で、核となる製品コストばかりに目を向け、運営、マーケティング、管理といった「目に見えないコスト」を著しく過小評価しています。その結果、帳簿上では一つの製品を売れば利益が出ているように見えても、すべての費用を計上すると、会社全体としては赤字になってしまうのです。
- 規模の不経済:もう一つの状況として、規模が大きくなればコストが下がると思い込んでいるケースがあります。例えば、一つのラーメン店で利益が出ているからといって、100店舗のチェーン展開をすれば大儲けできると考えるかもしれません。しかし、すぐにあなたは気づくでしょう。100店舗を管理するには専門のマネージャー、複雑なサプライチェーン、統一された研修システム、莫大なマーケティング費用が必要になることを…。管理コストが急激に上昇し、結果として各店舗の平均利益が低下し、さらには赤字に転落することさえあります。このような「規模の不経済」の罠はよくあることで、ビジネスモデルが小規模で成功したからといって、無限に拡大できるわけではありません。
まとめると:
企業が長期的に利益を出せない根本原因は、多くの場合、この2つの点、あるいはその両方にあります。
- 収入側に問題がある:顧客があなたの「価値」に対してそれほど多くのお金を払いたがらないか、あるいは「ユーザー」を「顧客」と誤解し、人気はあるがお金にならない状態になっているかのどちらかです。
- コスト側に問題がある:総コストの見積もりが楽観的すぎて、多くの隠れたコストを見落としているか、あるいはビジネスモデルに欠陥があり、規模が大きくなるほど赤字が膨らむかのどちらかです。
いわゆる「第一原理」とは、ここではビジネスの本質に立ち返ることです。それは「企業は利益を目的とする組織である」ということです。どんなに合理的に見える物語、感情、ユーザー数も、最終的に「収入 > コスト」という結果に繋がらなければ、それは単なる物語であり、良いビジネスとは言えません。